No.048  2003.10.9

皆さんの身近にある大きな木を1冊の本に。
市内在住の松村氏が「赤穂の大木40余選」を発刊

赤穂市内にある巨木・大木はいったいどのくらいの残されているのか興味をひかれて調べました・・・。この度、市内在住の松村完治さんが「赤穂の大木40余選」を発刊しました。

各地区のシンボル樹についてはこれまで市の調査で既に紹介されていましたが、もっと視覚的にも充実したものにしたいと考えて発刊されたそうで市民が愛情をもってふるさとの森を守って欲しいという願いが込められています。

ページをめくると近所にある木や普段何気なく目にする木が紹介されており、どこか懐かしさや歴史を感じされられます。


「赤穂市の大木40余選 ちょっと散策」



冊子の中から抜粋して紹介さていただきます。

有年横尾験行寺のイロハカエデ

JR有年駅前の国道2号線を横切り、直進すると周世坂にかかる。坂にかかる手前を右折し、三叉路を左に折れ坂を登ると験行寺に着く。境内右手に姿の美しいイロハカエデが迎えてくれる。


市内最大のイロハカエデ

真殿天満神社のスギ


JR坂越駅から千種川沿いの県道を北に進む。新幹線のカード下をくぐると、左手山すそに神社がみえる。境内に入ると右奥に地区のシンボル樹となっているスギがある。幹は途中で二本に分かれ、根株部分の空洞化が進行している。


市内最大のスギ


周世専念寺のチチイチョウ

JR坂越駅から県道を千種川沿いに有年に向かう。途中、根木切り山の信号を直進し、高雄橋を渡ると、すぐ左手に専念寺が見える。イチョウは一科一属の樹木で、火に強く雄雌が別木である。老木になると枝から乳が垂れたようにコブが下がるので、この名がついたといわれる。


地区のシンボル樹となっているチチイチョウ

高雄山神護寺大石手植えのモッコク

JR坂越駅から県道を千種川沿いに有年に向かって進む。根木切り山の信号を直進し、周世坂の途中から標識にしたがって左折一本道を約1.5km程登ると神護寺の駐車場に着く。このモッコクは大石良雄が手植えしたと伝えられており、地上2m付近から数本に幹分かれし枝を広げている。


市内最大のモッコク


南野中春日神社のクスノキ

JR赤穂駅前の国道250号線を東に進み、千種川堤防一つ手前の信号を左折し直進すると、左側田んぼの中に春日神社が見える。境内右側にクスノキがある。


市内最大級のクスノキ


塩屋荒神社裏のユーカリノキ

ユーカリノキは明治10年頃渡来した樹木で、ここの木もそれ以後植栽されたと思われる。ここには三本あるが、一番左のものが最大である。昆虫が脱皮したように樹皮が剥がれ落ちている。


市内最大のユーカリノキ


中広東洋紡跡のクスノキ


JR赤穂駅から国道250号線を横切り南東に進むと、ハローワーク前に出る。アグロの駐車場入ると正面に一本のクスノキが見える。ここは元東洋紡績の工場跡地になり、大正15年から建設工事が開始された。このクスノキもそれ以後植栽され、工場の従業員にとっては思い出深い樹木となっている。


駐車場に残った一本のクスノキ


中広南行宝堂のイチョウ

JR赤穂駅から千種川に架かる新赤穂大橋の手前に小さなお堂がある。その境内に一本のイチョウ(雌)がある。いつも世話をしているお爺さんに聞くと、昔は道路を隔てた向かいに雄のイチョウもあったという。お婆さんが定期的に掃除をしており境内の畑では、季節の花も見られる。


地区のシンボル樹となっているイチョウ



旧大石邸庭園のクスノキ

JR赤穂駅前の国道を横切り南へ約1km行くと赤穂城跡大手門に着く。境内に入り大石神社の門をくぐると右手に庭園がある。拝観料を払い庭園に入ると右奥にしめ縄のついたクスノキが見える。


市内最大級のクスノキ


坂越大避神社のモミ

JR坂越駅から坂越橋を渡り、坂越トンネルを抜けると坂越浦に着く。そこを左折し、次の信号を直進すると左側に大避神社に向かう坂に出会う。坂を登り突き当たりが神社である。仁王門を入り境内の右側にモミがある。幹の上部が欠損していて痛ましい。


市内最大のモミ


旧御崎小学校の跡のクスノキ

御崎大塚海岸の三叉路を右折して、旅館街方面に向かうと道路左下に小学校跡地が見える。跡地右奥に株立ちした市内最大のクスノキがある。主幹が2.06mあり環境庁の基準をクリアしている。昭和の始めに小学校ができた頃植栽されたと思われる。


市内最大のクスノキ


尾崎八幡宮のクスノキ

境内右「信仰えの道」入口に二本のクスノキが植栽されている。二本のクスノキの根元でつながっており、地区の団結を象徴しているようだ。シンボル樹になっているのもうなずける。


根元がつながっている二本のクスノキ

 

あとがきに松村さんの樹木に対する思いが書かれていましたのでご紹介します。

樹木は台風や落雷等の自然環境により大きな影響を受け、倒木や主幹の損傷という危険にいつもさらされています。またキヅタ・ムべ・テイカカズラ等のツル性植物やモウソウチク・ニタクロチク等竹の異常繁殖によっても大木が立ち枯れすることがあります。人間の介入も大木を守るためには時には必要なのです。今回赤穂市内の森を廻ってみて、人間の都合で樹木のことは二の次になっているのが目につきました。くるまが通りやすいように道路を広げるのはよいが、根元の近くまで石垣を組んだり、配電線にかかる枝を無造作に切り、切り口の養生もせずに放置したりしています。生活・コスト優先はある程度必要かもしれませんが、もっと樹木に対する配慮もお願いしたいと思います。市には、保護樹の条例もありますが、まだ一本も指定されていないのが現状です。私たち市民が「ふるさとの森」に興味を持ちふれあうことで、大木の保護と樹木の生育環境改善にこの小冊子を活用していただければ幸いです。

作者紹介 松村完治(まつむらかんじ)
1946年赤穂市木津に生まれる。高雄小学校・坂越中学校を経て相生産業高校卒業。関西電力(株)入社、2002年退職。現在赤穂森の倶楽部会員、兵庫県立淡路景観園芸学校受講生。現住所 赤穂市清水町


今回発刊された小冊子は一般には販売されませんので、誰でもすぐにはご覧になることはできませんが、今回特別に松村様、赤穂孔版様のご好意により先着5名の方にプレゼントさせたいただきます。
配布場所 赤穂商工会議所(開館時間:午前8時30分〜午後5時、休館日:土日祝日)

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