No.043  2003.7.31

赤穂市有年原在住の久保良道さんが、自宅にオープンした”くぼっち文庫”をご紹介いたします。

 こどもたちが絵本や民話にもっと親しめる場を・・・と、元小中学校校長の久保良道さんが、自宅の一部を改築した”くぼっち文庫”をH15年7月12日より、毎月第2・4土曜日に一般の方々に無料で開放しておりおります。

 在職中だった10年ほど前から、「退職したら、有年の子供たちが楽しく学べるような場を自宅に作ろう」と、今は亡き妻の眸さん(眸さんも小学校の教員でした)と計画し、2人で絵本などを買い集めておられました。
 昨年10月、妻の眸さんは定年を目前に癌で急逝されました。。
 当時久保さんは、赤穂市立民俗資料館の館長を勤めておられましたが、看病に専念したいと退職され、つきっきりで看病されましたが、甲斐なく急逝されました。。 同じ教職ということもあり、お互いが本当に信頼し合えるよきパートナーだっただけに、悲しみも深いものでしたが、眸さんの子供たちへの熱い想いを思い出し、心を奮い立たせて、この”くぼっち文庫”を完成させることができた、これがなければ悲しみから立ち直ることができなかった、と話して下さいました。

 集めた絵本や民話は、700冊以上にもなります。また、寄贈して頂いた本もあるそうです。本当にいろんな分野の絵本があり、驚くばかりでした。昔ながらの絵本、海外の色鮮やかな絵本、四十七士の絵本、ひもの絵本、世界最古といわれる絵本の復刻版、等々紹介しきれません!
 子供も大人も、ついつい時間が経つのを忘れて読みふけってしまいそうです。

 久保さんおひとりで運営されているので、貸し出しはしておられませんが、電話連絡して久保さんの予定がなければ、いつ来て頂いてもいいですよ!とのことでした。

 みなさん、是非”くぼっち文庫”に足を運んでみて下さい!絵本の魅力を再発見できるはずです!!

思い出の1冊。。


作 エリック・カール 訳 もりひさし

 この本は、久保さんと眸先生との思い出の1冊。。

久保さんが有年小に勤務していたころ、生徒の1人が入院し、お見舞いに行くのに何を持って行けばいいか、、と眸先生に相談したところ、「この絵本にしたら。」とアドバイスされ、本当にこれで喜ぶかなぁ?と半信半疑でお見舞いに行ったところ、その生徒さんは本当に大喜びし、目をキラキラと輝かせて読んだそうです。
 それ以来、久保さんの絵本に対する見方が変わったそうです。

絵本て、本当にすごい魅力があるんですよね。。

眸先生がよく授業で使っていた本。。
絵本にまつわるエピソード。。
 久保さんが塩屋小学校校長時代に、バス通学のバスに乗り合わせたことがありました。なんだかソワソワして落ち着かない子供たちが目に止まりました。
 又、図書館は3Fの隅っこにあり、本も乱雑に置かれていました。
 そんないきさつから、学校の玄関にあるソファに、貸し出しは禁止で3冊の絵本を置くことにしました。
 他の先生方からは、「きっと本が破られたり、無くなったりするに違いないですよ。」との声もありました。
 ところが、ちゃんとソファに座って読みふけっている子供達の姿を目にすることができたのです。2週間おきに3冊ずつ本を変えて置いていくと、今度は父兄の方が読んでいたり、上級生が下級生に読み聞かせている姿が!!!
 本当に絵本(本)の魅力はすごい。みんな読みたいんだ!と胸が熱くなったそうです。そして、乱雑だった図書館も自然ときれいに整理されていたそうです!
 
  この試みは、赤穂中学校でもなされ、同じような光景を目にすることができたそうです!


日    時
毎月第2・4土曜日 午前10時〜午後3時まで
場    所
赤穂市有年原434番地 久保良道さん宅
T  E  L
49‐2089
地    図
こちらから
備    考

・駐車場がありませんので、車での来訪はご遠慮ください。
・小学校低学年以下のお子様は、保護者か保護者にかわる人と一緒においでください。


日本の絵本や民話、世界の絵本や民話など700冊以上の中から、
ここからは、その一部を紹介させて頂きます。。

POOH GOES VISTING ドイツの絵本です。水野清司先生の翻訳つきです。
THE MENEHUNE OF NAUPAKA UILIAGE ハワイの絵本。”ハワイらしい”絵本です。水野清司先生の翻訳つきです。
たいせつなあなた あなたは大切な人です。。
トマトの絵本 トマトが絵本に!
四十七士 四十七士の絵本です。※これは久保さんが民俗資料館館長時代に”道具”がどういう風に使われていたかを調べるために購入した本です。
ふしぎのくにのアリス しかけがおもしろいです!!
近世子ども絵本集 近世の話と私達が知ってる話と読み比べてみてください!
少年たちの記憶 各分野で活躍されている方々が体験した満州からの引き揚げの話です。
フェリックスの手紙 うさぎのぬいぐるみのお話です。
ギルガメシュ王物語 世界最古といわれる絵本の復刻版です。
トロッコ列車 芥川龍之介の小説を絵本にしたものです。
ひもってすごい ひもによって文化が発達した!ことを題材にした絵本です。
どうぐ いろんな道具についての絵本です。
ジャパクの森の精霊たち

環境について考えさせられる絵本です。

川はよみがえる 環境について考えさせられる絵本です。
あのころそしていま 最後のページに鏡がついてます。今のあなたの姿は。。。
ダチョウのくびはなぜながい? ダチョウのくびがなぜ長いのか??おもしろい発想のお話です!!
葉っぱのフレディ 葉っぱが主役!
なぜあらそうの? ロシアの絵本。
きれいな花を取合い、そして争いになり、そして全ての花が枯れてしまう。。
ゆき ロシアの絵本。雪がだんだん降ってきて、、、
色の女王 きれいな色を楽しんで!
小さな池 文章がなくて、絵だけの絵本です。空の上から池をみて、、、
みつばちマーヤの冒険 精密画の作家、熊田千佳慕氏の絵を堪能してください!!素晴らしい!

取材を終えて・・・・・ 
 
 取材を担当させて頂いた私は、小学校6年の担任の先生が、久保眸先生でした。20年ほど経って、私の甥っ子の小学校低学年時の担任の先生が眸先生で、私のことも覚えていてくださり、つい1,2年前に結婚式の写真を見て頂いたり、手紙を頂いたりしたところだったんです。
「先生ももうすぐ定年かぁ、また会いたいなぁ」。と思っていた矢先に、訃報を聞きました。本当に残念で悲しい気持でしたが、”くぼっち文庫”の記事を目にし、是非当サイトでも記事を掲載したいと、取材にお伺いしました。
 
 取材にも関わらず長時間お邪魔してしまいました。 。
 眸先生のお話、”くぼっち文庫”のお話、そして絵本に関する本当に楽しくて素敵なお話をたくさんを聞かせていただきました。

 「こどもと一緒にまた来て下さいね!」と優しく声をかけて頂きましたが、ひとりで行って没頭したいなぁ。。。なんて思ってしまいました。。
 本当にいろんな絵本があって驚きの連続でした。
  また、久保さんと亡き妻の眸さんの、子どもたちへの心暖かく、そして熱い想いがいっぱい詰まった”くぼっち文庫”を有年の子供達だけでなく、たくさんの子供達に利用して頂きたいと強く思いました。 
 是非、みなさん絵本にふれてみてください。


 また、久保さんは今、執筆中 です。これは戦死したお父様への想いから執筆をはじめたそうです。。
(「少年たちの記憶 」は、執筆の参考にと購入されたそうです。)

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