|
播州赤穂は兵庫県の西南端にあって瀬戸内海に面し、その気候風土が塩づくりに適していたため、古くより塩どころ赤穂の名声は全国に知られておりました。
その塩づくりも技術革新の波によってあの懐かしい塩田の面影の昭和40年代で終わりをつげ、今は見ることができなくなりました。
赤穂と塩のかかわりは、いつまでも持ちつづけなければならないと考え、そこで塩づくりと同様に、海水を用いるという全く新しいやきものに取組みました。
赤穂近辺の土石を使い、やきものの表面が硝子化するとともに、窯変を生む塩基成分の役割を海水そのままに求めるという独自な技法によって、焼締でありますが優しさのあるやきものをつくることが出来ました。
|